「田川焼畑赤かぶ」伝統の山焼き作業を行う

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JA鶴岡田川焼畑赤かぶ専門班は8月23日、鶴岡市田川地区の杉伐採地で恒例の山焼き作業を行った。

山焼きは、同地区特産の赤カブ「田川焼畑赤かぶ」生産にかかせない伝統的自然農法。土壌改良や防除効果がある焼畑農法にこだわり、毎年8月の炎天下に行われる。

杉枝の天地返し、下草刈り、延焼防止などの事前作業を終えた山の斜面上側から火をつけて焼く。炎熱の中、急な傾斜で燃え広がりを調整しながら約6時間の過酷な作業となるが、この杉の葉と枝の灰が大事な肥料となる。このあと山肌に基肥を散布して赤かぶの種を播く。

特産「田川焼畑赤かぶ」は10月上旬に収穫を迎え、パリッとした食感で辛味があるのが特徴だ。地元の漬物業者などへ出荷され、出荷数量は約3㌧を見込む。

「田川焼畑赤かぶ」は在来種で、秋に班員が種採取用の良いカブを選別して畑に植え替え、春に種を採取している。アブラナ科の野菜は交雑しやすいため、花が咲く前にネットをかけるなど交雑しないように注意しながら種の保存を行っている。

班員の栗本隆さんは「大工として55年、杉材は日本の住宅に欠かせない材料で、杉山の焼畑で栽培する『田川焼畑赤かぶ』の農法がそれぞれに有益であり、地域の伝統と未来をつなぐ重要な役割を果たしている。暑さと戦いながらの大変な作業だが、この農法と地域の環境を守り、次世代に残していきたい」と話した。

 

急な斜面での過酷な作業

 

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