総代研修会「農協経営の課題とこれからの方向」
JA鶴岡は1月26日、荘銀タクト鶴岡で総代研修会を開いた。総代やJA役職員約320人が出席した。
佐藤茂一組合長はあいさつの中で、今月の大雪により県内で農業施設などの被害があり管内ではハウス被害が260棟超えたことを受け、JAグループで行政へ復旧支援を要請し、JAでもハウス資材の助成などの支援対策に取り組んでいくことを述べた。
最初にJAの宮守德弘参事が「今後の事業の取り組みに向けて」と題してJA鶴岡の情勢を報告。平成の経営を振り返り、現在直面する緊急課題として新金融店舗システムの導入による店舗再編、購買事業の見直し、米穀倉庫の整備の3つを挙げて説明した。人口減少に伴う正組合員・米生産者の戸数や事業利益の10年後予測値をシミュレーションし、持続可能な農協事業に向け組合員へさらなる総力の結集を呼び掛けた。
講演ではJA山形中央会の後藤雅喜参事が「農協経営の課題とこれからの方向」と題して講演。2016年4月に施行された改正農協法が今年3月で丸5年を迎える。この間、全国のJAでは1000万人を超える大規模な組合員調査の実施や自己改革を進め、JAが組合員や地域にとって必要な組織であることを政府に示すことができたと述べた。同調査において准組合員事業利用は必要だとする回答が9割だが、利用規制について今後どうなるかは4月以降の政府の見解を注視し、必要があればJAグループは声を上げていくと意気込んだ。農協経営の今後について「人口減少に加え低金利の影響で利鞘(りざや)が縮小し経営環境は厳しいが、組合員の営農と生活の支援をすることがJAの使命だ。組合員の皆さんが組織しているのがJAであり、組合員一人一人が自主自立に基づき考え、思いを結集して今こそJAらしさを発揮すべき時だ」と持論を交えて熱く語った。
JA山形中央会の後藤参事
あいさつを述べる佐藤組合長
情勢報告する宮守参事