豊凶差の抑制へ 湯田川孟宗部会管理講習会
JA鶴岡湯田川孟宗(もうそう)部会は6月21日、鶴岡市湯田川の竹林で特産のタケノコ「湯田川孟宗」の管理講習会を開いた。生産者ら20人が参加し、密度管理や「ウラ止め」と呼ばれる孟宗竹の高さを制限する方法など安定生産のためのポイントを学んだ。
孟宗竹には豊作年の「表年」と凶作年の「裏年」があり、1年ずつこの周期を繰り返す。
「湯田川孟宗」の収穫量も隔年で増減し、「表年」である2022年度の出荷数量は、「裏年」だった昨年に比べ10㌧多い16.7㌧となった。栽培管理を徹底することで少しでも豊凶の差をなくそうと企画し2年目の取り組み。
JAの園芸指導係は「豊凶差を少なくするには親竹の密度管理と、ウラ止めを行い雪害による竹へのダメージを減らすこと、適正施肥の3点が重要」だと説明。より多くのタケノコを収穫するためには施肥が必要で、お礼肥(おれいごえ)は収穫に感謝をする意味を込めて、孟宗を収穫した際の穴や新たに堀った穴に施肥を行うことで、親竹の活力を高める。施肥の前には必ず除草を行うことや、降雨前後の施肥が最も効果が高いことも伝えた。
また、今年イノシシによる孟宗の食害が確認されたことを受け、鶴岡市農政課の小野寺レイナ鳥獣被害対策推進員を招きイノシシ対策について説明を受けた。小野寺推進員は、東北全域で獣害が拡大傾向にあることや、荒れた竹林がイノシシのすみかとなりえることを説明。食べ物となる作物のかすを放置しないことや、圃場(ほじょう)をきれいに見晴らしよく管理することなど、産地全体で獣害対策に取り組むことの重要性を説明した。
佐藤久男会長は「表年、裏年の影響を少しでも小さくし、消費者に安定供給することも産地の責務の一つだ。全員で適正管理を頑張ろう」と会員に呼びかけた。
孟宗竹の管理方法を確認する生産者