『亡国の農協改革』著者三橋貴明氏を招き総代研修会
平成27年度の総代研修会が26日、総代と役職員約350人が出席して東京第一ホテル鶴岡で開かれました。
「TPP、農協改革にみる日本の政治・経済の状況と農業の方向について」と題した講演では、著書『亡国の農協改革』を昨年発表して話題を呼んだ作家で経済評論家の三橋貴明氏を講師に招きました。
三橋氏は、一連の農協改革は、国内外の一部投資家などによる、政府に対する強力な圧力によるものだとし「国民のみならず、政治家までもが中身を知らないまま、一部の人々を潤す構造改革が進んでいる。このままだと、郵政改革の時と全く同じパターンになるだろう」と話し、また、ほとんど報道されなかった点として、農協法の改正にあわせて、農地法と農業委員会等に関する法律も改正されたことを説明し、外国企業による農地所有などの危険性を指摘しました。
加えて、「農協改革とTPPによって、もっとも恐れるべき事態は食の安全保障が脅かされることだ」とし、集まった総代に対して「何があっても農業を続けることが食の安全保障につながる。これからは日本の生産年齢人口が下がっていくが、これは高度成長期に見られた傾向と同じ。必ずチャンスがやってくるからがんばってほしい」と激励していました。
一方、農業所得における国の直接支払の割合についても触れ「農業者は他産業よりも税金で守られていると言われるが、日本農業の15.6%に対してアメリカは26.4%、ヨーロッパでは90%以上という国も多い」と紹介し「民主主義国家である以上、農業者の思いや要望を国に訴えていくことは大切なこと。堂々と行動していってほしい」と呼びかけ、参加者はメモを取るなどして真剣な表情で聞き入っていました。
講演する三橋貴明氏。