稲作展示圃現地研修会を開く
鶴岡地域良質米生産推進協議会は6月26日、稲作展示圃で現地研修会を開き、鶴岡市、生産者、JA鶴岡、県農業技術普及課などの関係者ら約30人が参加した。同協議会は稲作の生産性を高め、良質米生産の確保を図ることにより、農業の発展に寄与することを目的としている。
スマート農業や省力低コストなどの技術の試験導入を行っている3カ所の圃場(ほじょう)を巡回し、担当しているそれぞれのJA耕種指導係が取り組んでいる技術の内容や水稲の生育状況などを説明した。
昨年から試験した開水路向け自動給水機では、スマートフォンでの水温管理や入水止水などについて説明した。4年目となる密播試験では育苗時の施肥と移植後の水管理を説明。試験圃場では比較的風が強く浅植えが難しい圃場ではあるものの茎数が取れている要因としては「育苗時に3回液肥を使用した密播苗にて移植した結果、活着およびその後の生育は良好。活着後の水管理に関しては浅水管理で分げつを促進し、ワキの発生については水交換・田干しを中心に行った。これら一連の管理ができないと茎数確保には至らない」と説明した。
同JAは巡回した各圃場の収量などの数値を検証し、収量増や高品質に向けて今後も技術の普及および拡大に向けて取り組んでいく。
密播の試験圃で取り組み内容や生育状況の説明を聞く参加者(6月26日、山形県鶴岡市山口集落で)
第48回通常総代会を開催
JA鶴岡は6月23日、鶴岡市の東京第一ホテル鶴岡「鳳凰の間」で第48回通常総代会を開いた。
新型コロナウィルスの感染リスク低減を考慮し、総代500人のうち430人が書面による議決権行使、25人が本人出席し、2019年度の剰余金処分案や20~22年度の中期経営計画・第12次地域農業振興運動計画などの11議案を原案通り全て承認した。
佐藤茂一組合長はあいさつで各事業の概況のほか取り組み初年度となる2つの計画について「第12次地域農業振興運動計画では、確固たる100億円産地に向けて運動を展開する。中期経営計画は農林中金が検討している新たな金融店舗システムや高齢化による事業領域の変化を鑑み「持続可能な経営の確立」への事業再構築期間として位置付ける。今後とも事業に対する結集・参画をお願い申しあげる」と述べた。
19年度の事業決算は農業機械の供給高などが好調だったことや農産物の販売数量増にともなう包装資材の供給と施設設備投資が増加したことで購買事業損益は前年比8450万円増。事業総利益は前年比1814万円増の20億8793万円。経常利益は前年比8179万円増で2億6674万円となった。
剰余金処分案では、出資配当金1%などのほか、主食用米などの俵数、青果物、産直品、畜産物の販売額に対して配当する事業分量配当金が提案された。
独立監査人の監査については、19年度から改正農協法の施行にともない、一般公認会計士2人を会計監査人に選任し受監しており、20年度以降も継続する。
総代会に先立ち19年度高品質米生産共励会表彰が行われ、生産組合表彰と個人表彰(品種別表彰)が行われた。
事業概況を述べる佐藤茂一組合長
高品質米生産共励会表彰者の皆さんと佐藤組合長(中央)
書面による議決権行使の呼び掛けにより、本人出席が25人となった第48回通常総代会
上郷支所年金友の会Gゴルフ大会
JA鶴岡上郷支所年金友の会は6月25日、鶴岡市上郷コミュニティーセンターで第14回上郷支所長杯グラウンドゴルフ大会を開いた。会員47人が参加。
鈴木伸明支所長のあいさつに続き、4~6人ずつ10組に分かれ、男女オープンの個人対抗12ホール、2ゲームで腕を競った。
参加者は励まし合い、好プレーが飛び出すと歓声が上がった。
熱戦の結果、大谷の渡部健二さんが優勝。第2位は上京田の佐藤悌一さん、第3位はみずほの佐藤喜代志さんだった。
鈴木支所長は「役員の協力により新型コロナウイルス感染対策を徹底し、無事に大会を開催できた。練習の機会が少なかったにも関わらず、会員のプレー技術は素晴らしかった」と話した。
成績は次の通り。
優 勝 渡部 健二さん(大谷)
第2位 佐藤 悌一さん(上京田)
第3位 佐藤 喜代志さん(みずほ)
第4位 長谷川 幸雄さん(矢引)
第5位 斎藤 昭三郎さん(大谷)
ホールポストに狙いを定め、ボールを打つ参加者
上位成績者(左から順に優勝~第5位まで)
民田ナスの目揃い会を開く
JA鶴岡大山園芸振興部会なす班は6月24日、鶴岡市のJA大山支所で在来野菜「民田ナス」の目揃い会を開いた。
JAの園芸指導係がサンプル品を示し、規格を確認した。A品に格付けできるのは品質・形状・色沢が良好で、病虫害・損傷がなく、着色は表面積の6割以上のものと説明。生育は順調で、追肥時期の目安や、病害虫防除など今後の管理についても助言した。
鈴木実班長は「高品質のものを安定出荷できるよう、今後の管理に気をつけてほしい」と呼び掛けた。
「民田ナス」は、鶴岡市で受け継がれてきた在来作物で、昔から地元の人々に親しまれてきた。小粒で、果肉が締まり、歯触りが良く、浅漬けやからし漬けといった漬物が人気だ。同班では、全量を同市の漬物販売会社、株式会社本長に卸している。
株式会社本長の本間光太郎社長は「全国の消費者の方々においしい民田ナスの漬物を届けられるように1キロでも多くの出荷をお願いしたい」と話した。
2019年度は8・8㌧を出荷。20年度は生産者5人が44㌃で栽培し、昨年並みの出荷量を目指す。出荷は10月上旬まで続き、8月に最盛期を迎える。
出荷規格を確認する班員
ミニトマト栽培基礎講習会を開く
JA鶴岡生産振興課は6月24日、鶴岡市で関係者約30人が参加して第2回ミニトマト栽培基礎講習会を開いた。
JAでは、生産拡大に向けてミニトマト専門部と連携し、新規生産者や栽培年数が浅い人、生産を予定している人を対象に、講習会を開いている。基礎的な技術習得や必要な資材など、準備段階から出荷までを学ぶ内容で5回計画している。
2回目となる今回は、5月末と6月中旬に定植した生産者の圃場(ほじょう)で、JAの園芸指導係から栽培マニュアルを使って、資材や施肥などの圃場準備から定植後のかん水や温度管理、整枝などの栽培管理法を学んだ。
参加者からは、かん水チューブの設置方法やかん水のタイミングなどについて質問が出た。
作付け3年目の参加者は「講習会は作業前に要点を確認できるので助かっている。今年は昨年の課題を生かして栽培したい」と意気込んだ。
ミニトマトの栽培管理法を学ぶ参加者
大玉トマト目揃い会を開く
大玉トマトの本格出荷を前に、JA鶴岡ハウストマト専門部は6月18日、鶴岡市のJA北部集荷場で目揃い会を開いた。
生産者ら16人が参加した。JA園芸指導係が出荷サンプルを見せながら等級別に品質や形状、色合い、果実サイズ、箱詰めの注意点を説明。カラーチャートを示しながら、出荷時は6割着色を基本とし、赤く着色したものはB品とすることを伝えた。参加者は、サンプルを手に取って出荷基準を確かめ、選別を徹底、統一することを確認した。
販売担当者は「昨年は集荷数量がピークを迎えた頃に買い控えが起き販売に苦戦した。課題を生かし、今年は新たな市場へ出荷することで販売先を増やし、事前に値決めをして販売するなどで販売単価をキープしていきたい。鶴岡の品質は良いものだとアピールしてしっかり販売していくので、選別を徹底して出荷に協力してほしい」と呼び掛けた。
専門部ではトマト「桃太郎」と、2019年度より収量や品質面の向上を見込み「りんか409」を栽培。今年は13人が98㌃で栽培する。7月中・下旬に最盛期を迎え、集荷は9月頃まで続く。
大玉トマトの出荷サンプルを確認する生産者
加工用キャベツの定量・定質出荷を目指して
JA鶴岡加工キャベツ研究会は16日、鶴岡市のJA農業振興センターで加工キャベツ栽培講習会を開いた。新規生産者を含めた生産者や関係者28人が参加。
同研究会の齋藤健二会長は「生産者数と作付面積が年々増加し、集荷数量も伸びてきている。講習会で栽培管理を再確認し、2020年度も計画的な生産・出荷に努めてほしい」とあいさつ。
JAの担当者が講師となり、19年度の生育経過と実績を踏まえ、定植時のかん水の徹底や定植初期の病害虫対策・排水対策の重要性について説明。肥大確保と輸送効率向上のため作型を守り、安定した収量を確保して産地の信頼性を高めていくための栽培管理を共有した。
JAの今野大介園芸指導係長は「生産面積の確実な登録や作型の遵守、精度の高い収量の把握に取り組み、計画的な生産・出荷に努めてほしい」と呼び掛けた。
JAは、播種(はしゅ)機のレンタルや段ボールを組み立てる必要がなく、階級の選別もないことから、容量300㌔の大型鉄コンテナによる出荷などで作業を省力化し、農家が取り組みやすい環境を整備してきた。
19年度は、生産者30人が前年比168%の262㌧を出荷した。
播種機の使い方を説明する今野園芸指導係長
フリージア実績検討会で課題を整理
JA鶴岡花き振興部会は6月15日、鶴岡市のJA北部集荷場でフリージアの2019年度実績検討会を開いた。生産者ら9人が出席し、販売実績や市場動向を報告した後、20年度に向けた課題を整理した。
19年度は、2月頃から新型コロナウイルス感染拡大の影響で花の需要が落ち込み、前年度比15・4%減の約42万4000本の出荷となり、販売額も前年を下回った。JA販売担当者は「全体的に厳しい状況だが、市場と情報交換を密にし、少しでも単価が高くとれるようにしたい」と話した。
昨年に続き暖冬の影響で、促成作型・季咲き全般で丈が長く草勢はボリュームがあったため、秀品率が上がりクレームもなかった。
JA園芸指導係は、生育障害を防ぐため毎作土壌分析を行い畑の状況を把握することや、葉焼け対策として急な日照に対応できる環境づくりが大切だと伝え、換気は早朝からゆっくり行い、蒸散抑制剤を定期的に散布することや、適度にかん水することなどの対策を呼び掛けた。
次年度作付けに向けて、促成栽培における効果的な高温処理とエチレンガス処理方法や、病害虫対策についても確認した。
次年度作付けに向けて課題を整理する生産者
夏切りトルコギキョウの目揃い会を開く
夏切りトルコギキョウの本格出荷を前に、JA鶴岡トルコギキョウ専門部は6月13日、鶴岡市のJA北部集荷場で目揃い会を開いた。2020年度は販売高4000万円を目指す。
関係者23人が参加した。
野村俊文専門部長がサンプルを示し、出荷時の開花具合などの出荷規格や集荷、選別の注意点などを説明。フリンジの有無で束を分けて高単価を狙いたいと伝えた。JA園芸指導主任は「先の見えない状況で不安だと思うが、JAがしっかり販売していくので選別を徹底して出荷してほしい」と話した。
JA販売担当者は販売状況について「新型コロナウイルスの影響で全国的に冠婚葬祭の規模縮小で花き需要が減少し、相場は軟調だ。色味ではピンク色の需要があり単価が安定している」と伝えた。
野村部長は「梅雨入りし管理が大変になるがこまめな管理を徹底し、市場に品質の良いものを出荷しよう」と呼び掛けた。
管内では27人が栽培し、出荷は7月に最盛期を迎える。
トルコギキョウの出荷規格を説明する野村部長
令和2年度 ミニトマト栽培基礎研修会
JA鶴岡生産振興課では11日、同JA北部集荷場で今年度から初めて新規生産者向けミニトマト栽培基礎研修会を開き、新規生産者8人と関係職員が参加した。新規生産者の増加を受けて、栽培にあたり事前準備が十分にできるよう研修会を開いた。
ハウス栽培100坪(3・3㌃)を例にして、品種は「千果」を推奨し、資材・苗の準備から収穫・出荷までポイントを絞って説明。栽培管理に関する注意点について、苗は土畑では青枯病対策のため基本的に接木苗を使用すること、過度な施肥は連作障害の一因となるため土壌分析に基づいた施肥を行うこと、追肥で使用する液肥と農薬の混用の注意点、防除ではマルハナバチを導入する場合の薬剤使用の影響などを説明した。
今野大介園芸指導係長は「今後も新規生産者の増加とミニトマトの生産拡大を図り、農家・組合員の所得向上に貢献できるよう指導にあたりたい」と話した。
同研修会は8月までの全5回で次回は圃場での講習会を予定している。
メモを取りながら栽培の説明を聞く新規生産者と関係職員