稲作総合実績検討会を開く

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JA鶴岡や鶴岡市などで組織される鶴岡地域良質米生産推進協議会は12月19日、令和5年度稲作総合実績検討会をJA鶴岡農業振興センターで開いた。生産者や市、JA関係役職員48人が出席。
佐藤茂一組合長は「今年の1等米比率は全品種で過去にない結果となった。今年ほど自然環境の影響を大きく受けた年は無かったであろう。今後、耕種指導係、関係機関と連携しながら高温対策を講じていきたい」と述べた。
検討会では耕種指導係が令和5年産米の作柄概況を報告した。5月までの気象は水稲の生育にとっておおむね好条件だったが、6月3日の強風によって生育が一時的に抑制され、その後生育は回復したが梅雨明け以降の異常高温・小雨によって登熟に不利な条件となった。
主要品種の推定収量は平均で10㌃あたり588.3㌔。品質状況は全品種の平均1等米比率は4.65%、2等米比率94.87%。食味の指標となるタンパク値は主要3品種で過去4年の平均値と比べ高い傾向となった。「雪若丸」は白未熟粒が他品種に比べ少なかったことから、食味値は平年並みであった。次年度の対応として適切な水管理や初期生育の確保による稲体の活力維持や適期刈り取りなどが課題としてあげられた。
また、肥料高騰対策展示圃の結果を報告した。これまでの施肥設計を逸脱せず鶏ふんでリン酸、カリを補給、硫安で窒素をカバーすることで従来の施肥設計よりも30%程の肥料経費を削減した。品質面では従来の方法と差は出なかったが、収量面では地域や圃場により差が生じた。基本的に統一の施肥設計で試験を行ったが、今後は地域に合わせた設計で収量を確保していくことが課題だ。
県庄内総合支庁産業経済部農業技術普及課の担当者は、次年度以降の栽培技術対策を説明した。

肥料高騰対策展示圃の報告をする指導係。

 

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