生産拡大に向けて、園芸品目研修会を開く
JA鶴岡は1月28日、園芸品目の生産拡大に向けた研修会を鶴岡市のJA農業振興センターで開いた。農家ら約30人が出席。JAの営農指導員から栽培のメリットなどを聞いた。今回新たな取り組みとして、県の職員から土づくりや病害虫防除の方法など改めて基礎的な知識についても学んだ。
県の庄内総合支庁農業技術普及課の千葉更索主任専門普及指導員は、土づくりや作物を育てるポイント、病害虫防除と農薬の適正使用について説明。作物を上手に作るためには土づくりが重要で毎年土壌分析を行うことや、病害虫を発生させない環境づくりと発生初期の徹底防除が大切だと伝えた。
JAの営農指導員は、推奨品目の軟白ネギ、ミニトマト、サヤインゲンについて、勧めるポイントや栽培方法、出荷の流れ、10㌃あたりの粗収入など、経営指標の目安を説明した。どの品目も水稲育苗ハウスの後作としてハウスを活用できることや、サヤインゲンは直播(ちょくは)栽培のため育苗不要で、経費がほかの品目と比較して少ないなどのメリットを紹介。栽培マニュアルで、年間の作業スケジュール、準備する資材、活用できる県や市の補助事業についても説明した。営農指導員は「この研修会は栽培していきたい品目を検討する上でのきっかけづくりと位置付けている。実際に栽培を始める場合は施肥設計、必要な資材の準備、栽培管理等を打合せしていきたいので相談してほしい」と呼び掛けた。
軟白ネギを担当する営農指導員は「初期投資は掛かるが、単価が安定しており、冬季間の安定した収入源になる。専門部では生育状況に応じた講習会や圃場(ほじょう)巡回を複数回開いて生産者をサポートしているので、ぜひ挑戦してほしい」と話した。
産地直売所「もんとあ~る」からは、産直会員募集の他、ニンジン、コマツナ、ホウレンソウなどが年間を通して不足しているため出荷してほしいなどの要望が出た。
園芸特産課の亀井周作課長は「2019年度の園芸品目は全体的に収量が多く、販売額も良かった。今回紹介する品目は今後伸ばしていきたい重要品目なので、疑問に思っていることや不安な点などを解消してもらい、栽培を検討してほしい」と話した。
防災食を学ぶ/女性部南支部虹の部会
JA鶴岡女性部南支部虹の部会は1月26日、鶴岡市黄金コミュニティ防災センターで料理講習会を開き、部員14人が参加した。
近年、自然災害が多発していることから、家族と自分を守るための備えとして、雑誌「家の光」2017年3月号「防災のアイディア30」に掲載されている耐熱性ポリ袋を使った非常食作りに挑戦。
被災したことを想定し、カセットコンロで 鍋にお湯を沸かして調理。材料の入ったポリ袋をお湯の中に入れて煮るだけで、ごはん、みそ煮込みうどん、肉じゃが、ポトフ、蒸しパンなど5品が完成した。
参加者は「ポリ袋を使ってこんなに幅広い料理が作れることをはじめて知った。いざという時の備えとして家族にも教えたい」と話した。
その他、鶴岡市市民部防災安全課の三浦耀介主事が「ハザードマップを使って防災学習」と題して講演。鶴岡市の地形を確認しながら、災害時の避難経路や、準備すると良い防災用品などについて学んだ。
飾り巻きずし作りに挑戦/女性部大山支部
JA鶴岡女性部大山支部は1月25日、鶴岡市農村センターで料理講習会を開いた。部員10人が参加し、四海巻きと梅の花の飾り巻きずしに挑戦。
はじめに、酢飯に桜でんぶやふりかけなどを混ぜて色付けし、柄となるパーツを作った。ノリにご飯を広げ、出来上がりをイメージしながら食材を配置し、仕上げた。色や食材を変えれば多数のバリエーションがあり、目と口の両方で楽しめる飾り巻きずしを作る楽しさを体験した。
その他、タラのアクアパッツァ、千切りキャベツの焼き春巻き、高野豆腐のフレンチトーストを作った。
参加者は「巻きずしを切ったときにきれいに柄がでると達成感がある。頑張って家で作り、家族を驚かせたい」と話した。
大泉支所 担い手・若手農業者研修会を初開催
JA鶴岡大泉支所は1月24日、鶴岡市のJA大泉支所で第1回「担い手・若手農業者研修会」を開いた。関係者約30人が参加し、若手農家の実践事例や情報通信技術(ICT)について学んだ。
支所管内の20~40代の農業者や後継者候補を対象に初めて企画。次代を担う若手農業者を育成し、JAとのむすびつきを強めながら若手農業者同士の交流の場にしようと開いた。今後は継続的に開いていく。
大泉支所の加藤政志支所長は「地域の皆さんと今後の農業を考えていきたいと初めて企画した。これを機会に農業に携わっていく若い人を掘り起こしていきたい。儲かる農業にしていくことも大切。それぞれの夢に向けて研修会を生かしてほしい」とあいさつした。
若手農家の事例発表では、管内でキクラゲの周年栽培やミニトマト、青こごみの栽培に取り組む有限会社ティーズファクトリー取締役の鈴木俊将さんが発表。フルタイムで働ける人材の確保が難しいため、作業工程のマニュアル化や機械化によって、子育て中の母親など働く人数を組み合わせることで1人分の労働力にして雇用をパズル方式で組み立てていることや、受賞歴など客観的な評価で商品に付加価値をつける販売戦略などを紹介した。
先進技術紹介では、積水化学工業株式会社の技術部長、関裕之さんが、情報通信技術(ICT)を活用して水田の給水を自動化する自動給水装置「水(み)まわりくん」を紹介。生産者の負担軽減や収穫量の拡大が期待され、管内で行う試験結果について営農指導員が報告した。
稲作総合実績検討会 19年産米の作柄や取り組みを総括
JA鶴岡や鶴岡市などで組織される良質米生産推進協議会では1月23日、2019年度稲作総合実績検討会をJA農業振興センターで開いた。生産者や関係職員61人が出席。
19年産の米の作柄概況を報告し、主要品種の予想数量は平均610㌔で、気象による要因も大きかったものの、初期生育や登熟歩合が良かったこと、高温・多雨・強風など気象要因に適宜対応した指導と生産者の肥培管理、18年産の不作の課題に対応し土壌改良剤やケイ酸資材の施用を推進したことなどが高収量につながったと分析した。
佐藤茂一組合長は「18年産を4万俵上回る37万5000俵の収量となった。JAでは販売高100億を目指しているが、19年度は管内の農産物が総じて豊作で、米を生産額で計算すると、ついに100億を達成でき大変うれしく思う。組合員の皆さんとともに喜びを分かち合いたい」と報告した。
省力化や多収に向けて取り組んだ事例も紹介、自動給水器の検証結果やドローン(小型無人飛行機)を使ったリモートセンシングの取り組み、密苗・密播の疎植栽培の試験結果、プラウ耕による整地技術の取り組みなども報告した。
JA米穀畜産課では、暖冬で降雪が無い影響や19年の課題に対応し、20年産の安定した収量確保に向け取り組んでいく。
アルストロメリア専門部実績検討会 2019年を総括・市場と意見交換
JA鶴岡アルストロメリア専門部は1月22日、鶴岡市の北部集荷場で2019年の実績検討会を開いた。関係者など23人が出席。
販売担当は、出荷数量・販売単価ともに昨年を上回ったことを報告し、大きなクレームはなかったが、切り前など調整作業、色・品種構成の見直しの必要性や安定的な出荷を続けることが品種の売り込みにつながると伝えた。
市場からは「台風大雨などの影響により市場への入荷が少なかったことから、鶴岡産はしっかりと週3回の出荷を続けることが安定した単価・販売につながり、アルストロメリアが汎用(はんよう)性の高いことをお客さまが再認識することなる」と呼び掛けた。
坪単価の向上を目指し暑さ対策、追肥管理などの栽培管理などの課題整理や、3グループに分かれ生産者、市場関係者が直接意見を交換し、市場からの要望や販売環境などの情報を共有した。
ストック専門部販売実績検討会 販売経過や課題を整理
JA鶴岡ストック専門部は1月22日、鶴岡市の農業振興センターで2019年度の実績検討会を開いた。市場関係者など22人が出席した。
昨年同期に比べ出荷数量は減少したが、高単価により販売額は上回った。
販売担当は、比較的安定的に出荷が続いたことや品薄感により単価が安定したことや実需先の気温が下がれば需要が高まるため、11月の出荷量がその後の単価にも影響することを伝え、引き続き出荷数70万本に向け取り組んでいこうと呼び掛けた。
市場からは、他産地では台風による被害の影響が続いており、出荷の減少や今後の出荷状況が予想できない状況にあることを伝え、今後の作付けについては他産地の状況も見ながら取り組むようにアドバイスした。
20年度に向け出荷時期の調整対策、作型設計などの課題や栽培技術情報も共有した。
青年部北支部が研修会を開く
JA鶴岡青年部北支部は1月22日、鶴岡市のJA農業振興センターで研修会を開き、部員や関係者25人 が参加した。
鶴岡市農林水産部の髙橋和博部長が「今後の鶴岡の農業・農政などについて」と題して講演。
同市では、農業従事者の55㌫が65歳以上の年齢層が占め、40歳未満が5㌫という高齢化をむかえている。高齢化により毎年農家が減り、人材が不足している現状を伝え、農業の生産拡大と所得向上、農業の発展を支える人材の育成・確保に向け、スマート農業や鶴岡市立農業経営者育成学校「SEADS」を中心とした農業人材育成プロジェクトについて説明 。
髙橋部長は「各種支援事業をうまく活用し、今後の農業の維持・発展に向け、担い手に魅力ある農業を目指していこう」と呼び掛けた。
児童が納豆作りに挑戦
鶴岡市立斎小学校の3年生23人は1月22日、農事組合法人IWCとJA鶴岡青年部南支部の指導のもと、納豆作りに挑戦した。
同法人の阿部伸さんが「納豆作りで大切なのは清潔な環境と温度調整。大豆がどのように納豆になるのか学んでほしい」とあいさつ後、作り方を説明した。
原料となる大豆は、児童らが 6月に種をまき、8月に収穫。乾燥させた後、1粒ずつ選別を行ったものを使った。
事前に水洗いし、水につけ、柔らかくなるまで煮込んでおいた大豆約3㌕に、阿部さんが納豆菌液(納豆菌と煮沸した水を混ぜ合わせたもの)をかけ、かき混ぜた。児童らは「ちゃんと納豆になりますように」と祈りながら作業を見守り、熱が冷めないうちに素早く大豆をパックに詰めた。納豆菌が活動しやすい「弱」の温度に設定されたこたつに24時間入れ、発酵を待つ。
完成した納豆は、冷蔵庫で12時間冷やした後、児童らが試食する。
第4回あぐりセミナーで「終活」の意義を学ぶ
JA鶴岡は1月21日、鶴岡市のプリエール鶴岡で、第4回JAあぐりセミナー「終活セミナー」を開いた。
組合員ら39人が参加し、農林中央金庫山形支店リテール班の阿部芳徳総括主任が講師を務めた。阿部主任は、JAバンクが発行するエンディングノート「いまから帳」の書き方について、相続の基礎知識にも触れながら、財産の相続や葬儀についての希望など、記入する項目ごとにポイントを説明した。
阿部主任は「エンディングノートを書くことで、これからの自分の考えを整理でき、家族にメッセージを伝えたり、相続対策を考えるきっかけづくりになる」と話した。
参加者は「まだ先のことかと思っていたが、自分の思いを整理することにより、これからの生き方が明るく明確になる感じがした」と話した。
JA経済部生活課の門脇拓也主任が、最近の葬儀事情や葬儀会館プリエール、同JAセレモニー互助会を紹介。近年増加している家族葬のメリットやデメリット、最近はもしもの時に備えて葬儀の手順や料金などの事前相談が増えてきていることなどを説明した。