食農教育補助教材「農業とわたしたちのくらし」を贈呈
JA鶴岡とJA庄内たがわは4月11日、鶴岡市内の小学校26校へJAバンク発行の食農教育補助教材「農業とわたしたちのくらし」を贈呈した。
JA鶴岡の伊藤淳専務とJA庄内たがわの佐藤茂春常務が市教育委員会を訪れ、布川敦教育長に教材一式を手渡した。教材は主に5年生を対象として食・環境と農業への理解を深めるきっかけとなることを目的としている。JA鶴岡は管内15校へ教材860冊とDVDを贈った。
布川教育長は「今の子どもたちは少しずつ家庭での農作業がなくなってきており、学校でしか経験することが出来ない現状にある。農業への興味関心を引く素晴らしい教材となっていることから授業で有効に活用させていただきたい」と話した。 伊藤専務は「子どもたちに農業への関心を持っていただきたい。また、県外、地域の子供たちに農業の大切さを幅広くPRしていきたい」とあいさつした。
本取組みは、JAバンク食農教育応援事業の一環として2008年度から行われ、JAが全国の小学校へ寄贈している。
食農教育補助教材を布川教育長㊥に手渡す伊藤専務㊨とJA庄内たがわの佐藤常務㊧
温泉の余り湯で水稲芽出し作業
山形県鶴岡市のJA鶴岡湯田川催芽施設で、温泉の余り湯を活用した水稲の芽出し作業が最盛期を迎えている。作業は4月下旬まで続く。
温泉湯を使った芽出し作業は、江戸時代後期に同地区の大井多右衛門が始めたとされる。
湯田川温泉から催芽施設そばの水路に流される余り湯の温度は約30~32度と種もみの発芽には最適。農家が持ち込んだ種もみ約8㌔を詰めた袋を湯に半日浸した後、場内水槽に敷いた枕木の上に袋を並べ、むしろで覆い半日蒸して発芽を促す。
専用の機器を使った芽出しに比べ、低コストである上、発芽のそろいが均一になるメリットがあり、農家からは好評だ。
今年は庄内一円から「はえぬき」「雪若丸」「つや姫」など約240㌧の事前申込を受け付けた。ピーク時は1日約25㌧の漬け込みを行う。
催芽施設で温泉の湯に種もみを浸す作業員
水稲播種作業始まる
鶴岡市寺田にある大泉育苗組合の施設で、4日から水稲苗の播種(はしゅ)作業が行われている。同組合では、生産者42人分の「はえぬき」「つや姫」「つくばSD1号」など3万箱の播種を6日間で行う。
作業が始まった4日は、13人の作業員が整列播種機を取り囲み、機械に空の苗箱をセットして床土を詰め、潅水・播種・覆土をする一連の作業を、1時間に1700箱のスピードで行っていた。
播種した苗箱は翌日以降に各生産者に引き渡され、それぞれのハウスなどで育苗管理が行われる。
同組合の小池貢副組合長は「積算気温が高いので初期成育は良好と思われる。育苗期間の病害の発生やヤケに注意してほしい。」と話していた。
播種作業をする作業員
水稲の芽出し作業順調に 安全を祈願
温泉を利用した伝統の水稲の芽出し作業が始まるのを前に、JA鶴岡米穀畜産課は3日、鶴岡市の湯田川催芽場で安全祈願祭を開いた。作業員やJA役職員ら12人が出席した。
伊藤淳専務は「今年も庄内一円からたくさんの利用申し込みをいただき、伝統の芽出し作業がスタートした。農家・組合員の期待と信頼に応えられるよう事業を進め、秋の収穫に期待したい」と話した。
湯田川温泉の余り湯を利用した水稲の芽出し作業は、江戸時代後期に始まった。
農家が持ち込んだ種もみを入れた袋を温泉の余り湯が流れ込む水槽に半日浸し、枕木の上で半日蒸すことで発芽を促す。発芽が均一になることから管内の農家だけでなく庄内地方一円から利用申し込みがあり、今年も昨年同様約240㌧の種もみが持ち込まれる予定だ。
作業は4月いっぱい予定され、6日~15日頃にピークを迎える。同市湯田川地区にある由豆佐賣(ゆずさめ)神社には、創始者である旧湯田川村の大井多右衛門の功績をたたえる石碑があり、毎年芽出し作業の始まりに合わせて関係者一同で拝礼を行っている。
玉串を捧げ、芽出し作業の安全を祈願する伊藤専務
大井多右衛門の功績に感謝し石碑を前に祝詞をささげた
新たな春の訪れ 新規採用職員入組式
JA鶴岡は4月3日、鶴岡市のJA本所で2023年度入組式を開き、新規採用職員5人の門出を祝った。
佐藤茂一組合長が一人一人に辞令を手渡した後「3つの聞く力を身につけ、組合員の皆さまから頼りにされるようなJA職員を目指し、これからの業務に励んでほしい」と激励。
新規採用職員を代表して佐藤捷平さんが「これまで地域を支え、農業を守り続けてきてくれた組合員の皆さまのために精いっぱい仕事に取り組み、地域の発展に全力を尽くせるような職員を目指す」と決意を述べ、JA職員としての新たな一歩を踏み出した。
誓いの言葉を述べる佐藤さん(中央)
畜産部会2022年度総会
JA鶴岡畜産部会は3月29日、農業振興センターで総会を開いた。部会員、関係者15人が出席し、2022年度の事業報告・収支決算や役員改選など4議案全てを承認した。
昨年、庄内地域で発生した鳥インフルエンザを受け、改めて防疫対策の徹底・強化することを確認した。また生産と流通の計画化と共同化を促進し、部会員の所得向上に向けて関係機関・団体と協力して事業を実施していく。
役員改選では、部会長に佐藤眞一さん(米出)、副部会長に大戸晋さん(清水新田)を選び、ともに再任となった。
佐藤部会長は「畜産農家の減少、粗飼料高騰など大変な年であった。来年度はマスクを外し皆さんと顔をあわせて活動できることを楽しみにしている」と述べた。
伊藤淳専務は「事業計画を達成できるよう部会員皆さんのほか、職員も一緒に力を振るっていく」と述べた。
長ねぎ専門部2022年度総会
JA鶴岡長ねぎ専門部は3月28日、振興センターで2022年度総会を開いた。部会員や関係者ら約50人が出席した。22年度の事業報告や役員改選など4議案が承認された。
渡部昌良司専門部長はあいさつで「今年度は実績としては苦しい年となったが、来年度に向けて課題を整理しさらなる専門部活動の充実を図っていきたい」と述べた。
露地ネギは10月中旬から降雨が続いた影響により病害が発生し出荷数量が減少した。軟白ネギは1月以降の寒波による葉折れで正品率に大きく影響を及ぼした。販売面では他産地の潤沢な出荷量などにより厳しい販売環境となった。
次年度に向けては、病害に対するローテーション防除による予防、作付け前の土壌分析の徹底、葉折れ対策の実施などについて確認した。活動では、全国ねぎサミットや販促キャンペーン、マネキン販売など、コロナ禍前に戻り再開していく予定。
役員改選では、専門部長に渡部昌良司さん(平田)が再任、副専門部長に斎藤憲さん(下川上)が選出された。
敢闘賞表彰式も行われ、長ネギの部門1位が瀬尾恵美さん、2位が須田治重さん、軟白ネギの部門1位が上野晃人さん、2位が本間吉典さん、赤ネギの部門1位が小南善継さんの5人が受賞した。
新役員によるあいさつ
女性部第52回通常総会を開催
JA鶴岡女性部は3月24日、鶴岡市の農村センターで第52回通常総会を開いた。部員・関係役職員42人が出席。
渡部優子女性部長は「今年度の女性部活動の総括と次年度の事業を決める重要な場となる。皆さんの活発な意見を求める」とあいさつ。
2022年度は3年ぶりに虹の部会全体研修会を企画し、虹の部会世代の部員13人が、庄内地方を巡り、地元の魅力を再発見するとともに、部員同士親睦を深めることができた。
23年度も引き続き、地産地消運動や食農教育活動、地域伝統食の伝承を目的とした、高校生対象の伝統料理講習会に取り組むことを確認した。
上程された議案は原案通り承認され、部員たちは来年度の事業に向けて気持ちを新たにした。
総会に先立ち、前本部役員3人の功績をたたえる感謝状の贈呈も行われた。
JA鶴岡女性部は、昭和47年に設立され、会員数は372人。設立以来、阪神淡路大震災や中越地震、東日本大震災の支援や備考などを行ってきた。
現在は地産地消運動として、つるおか大産業まつりでのだだちゃ豆ごはんの販売や、部員の健康増進のためのレクリエーション大会の開催、女性部員外にも女性部の活動を知ってもらうことと交流を目的に開講している「生き活き塾」などを行っている。
JA女性組織綱領を唱和する部員
前本部役員へ感謝状が贈呈された
農機整備工場起工式
JA鶴岡は3月22日、鶴岡市矢馳に新たに農機整備工場を建設するため起工式を行った。全農山形県本部の高橋幸紀副本部長、佐藤茂一組合長、伊藤淳専務、施工業者の代表者らが鍬入れなどの神事を行い、工事の安全を祈願した。
同工場は2022年の第50回通常総代会で承認された「支所・事業の再構築基本構想」に基づき、今月下旬より工事を開始。構造は鉄骨造りで、延床面積は事務所を含む工場棟が約707㎡、洗車場棟が約68㎡。場所は大泉CE(カントリーエレベーター)の西側にある堆肥舎と農機具格納庫の間に建設する。工事は今年12月に完了予定。
佐藤組合長は「近年の農機大型化への対応と、農機整備士の効率的な配置を実現するために建設する。断熱効果の高い資材を使用し職員の健康管理にも配慮した。完成した暁には組合員の所得向上と、JAの健全経営に寄与するものと確信している」と述べた。式には関係者ら約20人が出席した。
農地集約のきっかけに
JA鶴岡北支所は3月14日、農業振興センターで北地区農地集約事業研修会と意見交換会を開いた。組合員、農地利用最適化推進員など関係者38人が参加した。
研修会では、農地集約に向けた取り組みや農地の受委託契約について説明。鶴岡市農業委員会坂田英勝主査は、鶴岡市での面的な集約事例を紹介し、集約の必要性が高まっている事から担い手同士の話し合いや、先を見据え集落等に相談していることが大事と伝えた。
情報交換会では、集落単位で耕作者別に色分けされた図面を囲み、集約状況や課題を話し合った。参加者は、入り作者も含め集落に関係する農業者全体で話していく事や移動・作業効率を考慮した形で農地が集約できればなど多くの意見が出された。
生田真智子支所長は「集落の現状を把握しながら、集落の農地の方向性を考えてもらえれば」と話す。
農地集約に向けた取り組みについて説明をうける参加者
情報交換会では集約状況や課題を話し合った